げるぎーのらふま



芸術の秋。ラフマニノフの冬。


世の中に巨匠とかマエストロと呼ばれている人がどのくらいいるか知らないが、そういう方々は多くの場合高齢である。なので、ぼーっとしているとどんどんお亡くなりになって、二度とお目にかかることはできなくなる。そんなにアンテナを張っていない僕でも、ここ数年でアバドが亡くなり、ブーレーズが亡くなり…と何人かの訃報に触れて、偶にYouTubeで彼らの良い演奏を見つけた時には、生で見てみたかったなぁと思うことがある。その最たるは、カルロス・クライバーさんなんだけど。(大学時代にとある先生が1986年の来日公演を見たという話を聴いてとても羨ましかった。僕は生まれていないのでノーチャンス。)


この日のマエストロ、ゲルギエフさんはまだ64歳らしいので、まだまだこれからもご活躍されるんだろう(して欲しい)けど、僕が名を知っているそんなに多くない指揮者の内の一人として観れるうちに観ておこうと思い、今回コンサートに行った。




折角なのでゲルギエフさんを紹介すると、有名な動画はこれ・・・?笑


ウィーンフィルとの超速剣の舞。おもしろ動画みたいなやつ。


個人的に推したいのはこっち↓



この演奏は全編素晴らしいけど、カデンツァ(ピアノの独奏)が特に聴きどころなので、そこスタートにしてる。2分くらいなので是非そこだけでもお聴きくだされ。(ピアノの独奏だけじゃゲルギエフ関係ないんだけど。3楽章に入る25:43〜とか、ラストも聴きやすと思う。個人的には地味だけど、22:55〜あたりが好き。)



この演奏が本当に好き…、ということは、今日の演目はお察しの通り?
・ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番(←本命)
・ラフマニノフ ピアノ協奏曲第4番(4曲あるピアノ協奏曲の内一番興味が薄い)
・ラフマニノフ 交響的舞曲(全然知らない)




チケットはお高かった。


16:00過ぎにサントリーホールに着き、開場が17:30と知ってああまだ時間あるなぁと思っていたら、正面入り口から取り巻き数人を引き連れてゲルギエフさんが出てきた。時間が時間だったから人も少なく、反応したのは僕を含めて3人とかだったけど、2~3mの距離でがっつり目があってしまった👀。勘違いでも何でも無くがっつり目があったので気まずかった。






なんか僕が知らないところでRUSSIAN SEASONSとかいう文化交流事業が行われていたようで、しかもこのコンサートはその締めくくりだったらしく、開演前にロシアのそういう文化系省庁のお偉いさんと、日本からは文化庁長官である宮田さんから挨拶があった。


宮田さんは東京芸大の学長だった頃から勝手に存じ上げていたから、予期せぬ初観測にびっくりしてしまった。僕が通ってた大学にも宮田さんのイルカの像が置いてあったなぁ。



それで肝心のコンサートだけど、まずまずだった。オケもピアノも違うけど、テンポの取り方とか音の作り方はリンクした演奏に近く、ゲルギエフさんらしいラフマニノフだった(と思う)。一方で、正直大好きな曲だからもっと感動するんじゃないかと思って行った節があり、それからするとなんか普通に聴けてしまったなぁという感想もある。

もしかしたら、普段から歴史上最高の名演みたいな演奏を見続けているせいで感覚が狂っているのかもしれない。あれがスタンダードと思ってる自分が普通だと感じたということは、すごい演奏だったのかも?とも思う。一回本当に普通の演奏を聴いて(場合によってはがっかりして)みないと分からないような気がしてきた。


ということで、大きな感動はなかったけど、いい演奏ではあった。曲の中で大好きなところは聴いていてやっぱり綺麗だなぁと思ったし、あんなに聴き手として緊張感を持って音に耳を傾けたのも初めてだったし、カデンツァとかラストの爆発力も聴き応えがあった。(この曲に集中しすぎたせいで4番が眠かった



そんな感じですかね。4番と交響的舞曲も聴いていて良いなと思うところは沢山あったけど、元々曲をほぼ知らないので感想は書けず…。

アンコールはマツーエフさんがラフマニノフの練習曲「音の絵」Op.39-2、オケがメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」からスケルツォだった。こちらも割愛。





次回はチャイコフスキーとか、ベートーヴェンとか行ってみたいかも。
という願望を書いて終わりにしよう。




最後に、ホール前にMPが回復しそうなツリーがあったのでおすそ分け。


げるぎーのらふま げるぎーのらふま Reviewed by mug on 12/12/2017 Rating: 5

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