TAILWIND

TAILWIND / TrySail


やっぱり…まず一番に言いたいのは、装丁が本当に良い！
（Sail Canvasの時も言ったなこれ・・・）

Sail Canvasもすごく良かったけど、今作はそれを上回るくらい、コンセプト、色使い、デザインと…、全てがアーティスティックで、綺麗だなと思った。TrySailもそうだし、それぞれのソロ活動もそうなんだけど、本当にアートディレクションが素晴らしい（ポスターとかお世辞抜きに良作揃い）。このTAILWINDのアートディレクターはソニーミュージックの川本拓三さんらしい。良い仕事をしてらっしゃる。（川本さんのポートフォリオ）


そういう話をしだすとまた、いや、カメラマンもいい仕事をしている、とか、どんどん話が逸れていく。アニメディアにジャケット撮影時の写真が載ってたけど、レンズがEF 24-70mm F2.8ぽくて、いいなぁ。欲しいなぁ。てかジャケット写真壁紙にしたいからRAWでくれ、とか。撮影した画像を編集してるmacのPhotoshopの画面、レイヤーマスクをかけた調整レイヤーがいっぱい並んでててやっぱ細部まで拘ってんだなぁ、とか（注記しておくけど、調整レイヤーは露光量とか彩度の調整をするやつです）。タイトルとか歌詞カードのフォントがSail Canvasと同じくHelvetica Neueと筑紫ゴシックで、これは敢えてSail Canvasに合わせてきたのか、この組み合わせが万能で美しいからそうしたのか、とか、色々考えが巡る。こういうコメント、カメラとDTPに嵌った人間の末路って感じですね…。

TAILWIND

表題曲。曲中後ろの音がなくなってボーカルだけ強調されるような箇所が幾つかあって、装飾が少なくシンプルな感じが新しく感じた。歌声も、なんというか、無垢な感じがあっていいなぁと。最近は割と曲の中で3人それぞれの個性が出ている曲が多かった（と僕は感じていた）けど、この曲はどちらかというと3人のまとまりが出ていて、出だしの3人が短いフレーズを繋いでサビを作っているところなんかを聴いていても、声が綺麗に連なっていて、改めて3人の声の相性の良さを感じた。（没個性ってわけではなく、3人が歩調を合わせている感じ？なんか言葉にするのが難しい。）色々なインタビューで語られているように、聴いていると確かにそっと背中を押してくれる、爽やかな追い風って感じの曲。

最後にこんなことだけ書くのも無粋だけど、ライブの時から言っているようにアウトロがすごく好き。

バン!バン!!バンザイ!!!

歌を聴いて、そして歌詞カードを見て、バンザーーーーーーーーーーーーイ！ながっ！と思った（笑）歌詞もメロディも明るくて楽しい曲。あとは、ライブでどうなるかが一番気になる。振り付けもそうだし、なんか化けそうな気がする。

disco

discoという曲名だけ聞いた時は、すごくハイテンションなノリノリの曲をイメージしたけど、実際はそれとは少し違って、楽しいさもありつつ、どこか感傷的で、ライブのラストとか、アンコールで映えそうな曲だなぁと思った。

好きなのは2番最後の「あのね」のところ。自然と次の言葉に意識が向けられて、そこから続くCメロの歌詞がすごくエモい（ここがまたライブ終盤で映えそう）。

Journey

爽やかなバラード。TAILWINDはひたすら前向きな歌詞だったけど、こっちは少し立ち止まったときに寄り添って、また次の一歩を踏み出す力をくれるような曲。メロディが綺麗で、それを歌う3人の歌声もまたすごく綺麗。CDの段階ですでに聴き入るレベルで綺麗だから、アリーナであのあかね色を歌った3人が、ライブでこの曲を歌ったらどうなるのかなと、次のライブが楽しみになる曲だった。

余談というか、ラスサビの麻倉さんの「この瞬間を生き続ける」の歌声がはっとするくらい美しかった。





TAILWINDの新曲だけ感想？を書いたけど、改めて全体を見ると、TAILWINDとかJourneyのような綺麗な曲があり、Chip log、BraveSailのようなかわいい曲、adrenaline!!!、バン!バン!!バンザイ!!!のような楽しい曲、High Free Spiritsのような激しく盛り上がれる曲…と、ものすごくバラエティに富んでいて、Sail Canvasに続き、TrySailの魅力・良さが感じられる良いアルバムになっていると思う。


そしてやっぱり、TAILWINDとかJourneyは、ここまでの爽やかで綺麗な感じって、これまでなかったと思うから、新境地なのかなと思う。これまでTrySailの色々な楽曲を聴いてきて、方向性としてはだいぶ出尽くしてきたのかなとか思ったりもしたけど、全然そんなことはなく、まだまだいろんな可能性がありそう。これからの航海も楽しみじゃ。⛵